■職業や資格の制限
また、自己破産をしてしまうと就ける職業が一部制限されたり、あるいは現在所有している資格が停止処分を受けたりすることもありますので注意が必要です。
たとえば免責が下りるまでは、教育委員会委員や商工会の役員、証券外務員、商品投資販売業、信託会社、信用金庫等の会員または役員、著作権等管理事業者の役員、日本銀行の役員、貸金業者、質屋、製作委員会審議委員、警備員、警備員指導教育責任者等、不動産鑑定業者、一般建設業、特定建設業などの職には就けないことになっています。
また、弁護士や司法書士、弁理士、土地家屋調査士、不動産鑑定士、不動産鑑定士補、公認会計士、税理士、行政書士、社会保険労務士、中小企業診断士、宅地建物取引主任者、旅行業務取扱管理者などの資格を持っている人も一時的に資格が制限されることを覚えておくといいと思います。
■自由の制限
また、「通信の秘密の制限」を受けるのも自己破産のつらいところです。破産者宛てに送られた郵便物などはすべて破産管財人に配達されることになります。ただし、これは同時廃止の場合には当てはまらず、管財事件だけに適用されます。
また債権者集会や破産管財人に請求された場合には、破産に関しての説明をしなければならない義務、あるいは裁判所の許可なしに居住地を離れたりすることのできない「居住の制限」なども敷かれることになります。
「ブラックリスト」(個人信用情報)にも自己破産の情報が載り、自己破産後約5年間はそのリストから消えないと言われていますので、金融機関からの借入などはできなくなるのも自己破産をした場合のデメリットです。
■140万円までなら司法書士へ
債務整理は自分で行うこともできますが、それなりの辛抱強さと知識などが必要となってくるのはもちろんのことです。通常の人は法律に関してそれほど詳しくないので、たいていの場合は専門家に手続きを依頼することになります。
債務整理の手続きを扱うことができる専門家は、弁護士あるいは司法書士です。以前は債務整理というと弁護士の独壇場のような感がありましたが、2003年に法が改正されたことにより、司法書士でも140万円以下の借金であれば交渉権と簡易裁判所の訴訟代理権が認められることになりました。
司法書士は弁護士と比較すると一般的には任意整理費用の相場が安めの傾向がありますので、借金が140万円以下の人はまず司法書士に相談をしてみるといいと思います。
■司法書士の限界
ただしこの「140万円以下」というのは債権者ごとの額ではなく、すべての債権者の総債権額で判断されます。140万円を1円でも超えてしまうと司法書士には交渉権と訴訟代理権がなくなってしまいますので、この点には注意しなければなりません。
また、司法書士が訴訟代理権を持っているのは簡易裁判所のみに限られていますから、地方裁判所などに事例が持ち込まれる可能性がある場合には最初から司法書士ではなくて弁護士に手続きを依頼することを考えるのが得策です。
最初に司法書士に手続きを依頼してしまった後に任意での和解が困難になった場合、地方裁判所に起訴が提起されることになり、こうなると新たに弁護士を立てなければならなくなりますので、非常に不経済です。
■弁護士に依頼した方がいいケース
債務整理と別に過払い金返還請求を行う場合にも、引き直し計算をした後ではじき出された過払い金額が、140万円を超えてしまった場合にも司法書士の手には負えないことになります。新たに弁護士を立てる費用が惜しいからと、せっかく190万円の過払い金があるのに140万円で泣く泣く妥協したというケースなどもあると聞きます。
また、自己破産や民事再生を考えている人の場合、地方裁判所に申し立てを行わなければなりませんので、司法書士に手続きを依頼しても書類の作成しかやってもらえず、別途弁護士を探さなければならないというハメに陥ってしまいますので注意が必要です。
司法書士に書類だけを作成してもらって裁判所とのやり取りは自分がすることになるとかなりのストレスともなり、また海千山千の債権者に負けてしまうことも十分考えられます。このようなこともあってか、債務整理は最初から弁護士に頼む人が多いようです。